ジェラルドのゲーム
スティーヴン・キング 著
だいぶ悪趣味な脱出劇
季節はずれの山中の別荘。妻を緊縛してセックス遊戯にふけるはずだったジェラルドは急死、床に転がっている。バンザイの恰好で両手をベッドポストにつながれたまま取り残されたジェシーを、渇き、寒さ、妄想が襲う。そしてさまざまな“声”が彼女の思考に入りこんで…。ホラーの帝王・キングが描きだす究極の拘禁状態の恐怖。
Category:スティーヴン・キング/映画・ドラマの原作/Netflixで見た作品
◇感想と解説
何から何までド変態で悪趣味な物語だ。正直あまりスキじゃない。姉妹作品の 『ドロレス・クレイボーン』 と同じく、1963年7月20日の皆既日食が鍵となる物語であるが、ドロレス~のような哀愁はこの物語にはない。
なんだか二十歳くらいのキングが書いた冷血非道な小説 『死のロングウォーク』 みたいな内容である。極限状態を生み出す設定の中に、不幸な主人公がポンと置かれて崩壊寸前の精神状態でいろいろやるって話。キングの人体実験みたいな小説なのだ。
もう、とにかく気色悪いんだわよ!!!
◇関連作品
スティーヴン・キング 著
『ジェラルドのゲーム』 と姉妹作品。どちらも1963年7月20日の皆既日食が鍵となる。
そう、たしかにあたしは亭主を殺したさ…30年前に夫を殺したと噂される老女ドロレスに、再び殺人の容疑が。彼女の口から明かされる二つの死の真相―皆既日食の悪夢のような風景のなかに甦る忌まわしい秘密。罪が生み出す魂の闇。キングの緻密な筆がアメリカの女性の悲劇を余すところなく描き出す、慟哭の心理ミステリー。
スティーヴン・キング 著
『ニードフル・シングス』 の出来事が 『ジェラルドのゲーム』 に出てくる。
平穏な田舎町キャッスルロックに骨董屋が開店した。店主は素性の知れぬよそ者、でも客はみな目を見張る。欲しくてたまらなかった品々が格安で手に入るのだ。条件はひとつ、店主に頼まれた「いたずら」を実行すれば…。キング作品でおなじみの町に、またも怪異が襲い来る。かつてないスケールと破壊力をそなえた大破局が。
◇情報
1992.USA/Gerald's Game
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