2021.04.20多面体との和解
私は海の上で何かと戦っていた。
地球外知的生命体のようなものだったと思う。
相手はビルのような、白い角張った多面体で、とにかく巨大だった。
海上を自由に飛び回りながら私は戦っていたが、負けそうだった。
そこで私はふと思い出した。
この生き物の家族とは前もって対話をしており、和解していたことを。
そろそろ、その和解した家族と人間たちのグループが戻って来るころだ。
私は早くこの戦いを終わらせたいと海から離れて役所のような建物の中に入った。
すると、ちょうど和解を成功させたグループも到着して、中庭に降り立った。
到着した人間たちは、様々な年齢、人種の男女十名ほどだった。
私のいる位置からは見えないが、先ほどまで戦っていた相手の種族も、体を人間ほどの大きさに変化させて一緒にいるようだった。
施設内は祝福モードになり、パーティーが始まった。
音楽が流れると、和解に参加した人々が思い思いに踊りだし、ぐるっと見渡すと、施設内にいる人たちも踊りだしていた。
施設の中にも様々な人種の人たちがいた。
「面白かったな」となぜか私はいい映画を観終わった時のような気持ちになっていた。
よくわからないが、密集する笹のイメージが頭にこびりついていた。
「さて、自転車のスポークでも装飾しよう~」と、私は何の脈略もなく思い立ち、自転車の車輪にハメる用の丸く切り取られたボール紙の中から、好きなデザインを選び始めた。
私はジェームス・ブラウンのデザインを選んだ。トランペットを吹いている顔が、ちょうどタイヤの空気入れのところに来て、膨らませているように見えるのが気に入ったのだ。
私がそのデザインを選ぶと、周りにいたおっさんたちがなぜか食いついてきて、ジェームス・ブラウン談義が始まっていた。
音楽好きが多いんだなーとぼんやり思っているところで目が覚めた。