言葉の洪水 ―種田山頭火に寄す―
今日は種田山頭火(1882年~1940年)という俳人を紹介したい。
彼は私が最も敬愛する俳人の一人である。
GENZの曲で「徘徊」という曲があるが、あれは山頭火のことをうたった歌である。
彼の壮絶な人生。
幼いころに母親が、そして弟と父までもが自殺してしまい、彼も命を断とうとした。
だけど彼は死なずに生きて俳句をつくる道へと進んだ。
山から山へ、村から町へと旅をしてひたすら句を作った。
その数およそ八万四千句。
ハンパない数である。
彼の句は自由律俳句と呼ばれるもので、五七五や季語にとられない自由なものである。
つぶやきのような、こぼれおちた言葉言葉言葉言葉。
その迫力と言ったらない。
そんな山頭火の句が、ついったーという新しいツールを使って30分に一句、世界に向けて発信されている。
まさに山頭火のつぶやきなのだ。
種田山頭火 句集
http://twitter.com/Santouka_bot
このみちをたどるほかない草のふかくも
ならんで竹の子竹になりつつ
うどん供へて、母よ、わたくしもいただきまする
どうしようもないわたしが歩いてゐる
いそいでもどるかなかなかなかな
わかれきてつくつくぼうし
天われを殺さずして詩を作らしむ
寝床まで月を入れ寝るとする
山のしづけさは白い花
死はひややかな空とほく雲のゆく
花が葉になる東京よさようなら
草の青さよはだしでもどる
つくつくぼうし鳴いてつくつくぼうし
捨てきれない荷物のおもさまへうしろ
分け入つても分け入つても青い山
ふくろうはふくろうでわたしはわたしでねむれない
ぢつと瞳が瞳に喰ひ入る瞳
旅もいつしかおたまじやくしが泳いでゐる
炎天のレールまつすぐ
うしろすがたのしぐれてゆくか
すべつてころんで山がひつそり
次々と繰り出されるうた。
山頭火がすぐそこにいるように錯覚する。
21世紀。すごすぎる!!!
山頭火~!!!
70年たってもあなたの残した句をみんなが読んでるよ!!