皆既日食と神話
2009年7月22日、日本中が皆既日食で盛り上がった。 私のまわりでも空を見た人がいっぱいいる。
その日、日本中でみんなが空を見ちゃうような雰囲気になったのはとってもいいことだと思った。普段、天体に興味ない人も、たまにはこうやって仕事そっちのけで空を凝視できる日があるといいと思う。
こんなの見れるなんて地球ってホントに超ラッキーだわ。
ちなみに、火星なんて二つも月があるけど、小さすぎて日食になっても太陽は隠れない。日食というより太陽面通過。
NASAの火星探査車が捉えた、人類が初めて見る他の惑星上での日食
http://www.astroarts.co.jp/news/2004/03/16transit_from_mars/index-j.shtml
いやほんと、火星人だったら日食パーティーなんか地味すぎて盛り上がらないね。
というわけで、今日は、こんな超ラッキーな人類が体験した皆既日食について歴史を遡って調べてみたい。
◇日本最古の日食の記録
日本書紀にその記事がある。
推古36年3月2日(西暦628年4月10日)三月の丁未の朔戊申に、日、蝕え盡きたること有り。
推古天皇は日本初の女帝であり、聖徳太子が大活躍した時代の人だ。
彼女は、この記事の前月に病で臥せっていて、日食から5日後に75歳で亡くなった。
このときの日食を見ちゃう??
日食情報データベース
http://www.hucc.hokudai.ac.jp/~x10553/
1)5000年間(-2000年~3000年)地球上どこでも、日食情報
2)「金環食と皆既食」 > 「628」 > 「皆既食/628/4/10」 > 「次に」
3)日本のだいぶ近くを皆既日食の線が通っている!!!
地図を拡大して、推古天皇がいた奈良あたりをクリック。
4)緯度経度が出たら「OK」 > 局地情報の枠に緯度経度が入る。
5)「欠け具合は? 何時頃に?」を押すと詳細が見れる。
628年4月10日 9:17(日本時間)
わーーーだいぶ欠けてる。
これ、すごいなーー。
日本書紀に出てくる日食が本当に見れちゃうんだね・・。
◇天照大神と皆既日食
神話と皆既日食というと、日本人ならば 『天照大神の岩戸隠れ』 を思い浮かべる人も多いだろう。
弟のスサノオがあまりに暴れるので、太陽神であるアマテラスが怒って天岩戸に隠れて世界はあっとゆうまに闇になった。
読めば読むほどこれ、日食の話にしか思えない。神話と歴史を切り離して考える学者さんも多いけど私は違うと思う。それでは人間を全く無視した悲しい歴史観になってしまう。むしろ神話から積極的にヒントを得るのが正解なのでは。
『古事記』 や 『日本書紀』 は国家事業で作られた史書だ。
それなりの説得力も必要で、ゼロから作り出されたまるっきりの嘘っぱちが書いてあるとは思えない。
多少なりとも、昔から伝わってきた話がベースになっているはずなのだ。
アマテラスは、世界でも珍しい女の太陽神にして日本の最高神である。
これに当てはまるような女性の権力者がいたんじゃないか。
昔々の日本に、神々しい女神のような権力者が…。
そうそう、いるじゃんか!!!!!
卑弥呼さまーーー!!!!
卑弥呼さまならば、どの時代の人で亡くなった年もだいたいわかっている。
卑弥呼が初めて魏に使者を派遣したのが239年。
247年か248年には亡くなって、でっかい墓が作られたとある。
さて、ではここで、卑弥呼とアマテラスを結び付けてみよう。
卑弥呼=アマテラス
これはずいぶん昔から言われてきた説である。
ともに弟がいるし、巫女的存在だし、共通点が多い。
もし、そうだとすると、岩戸伝説の日食と、卑弥呼も何かしらの関係があるかもしれない。
そう考えた学者さんたちは、卑弥呼が生きたとされる時代の日本で見れる日食を調べた。
そしたら!!!!!
キタ━━━(゚∀゚)━━━!!!
ニッショク キタ—–!!!!!!
ななな、なんと、卑弥呼が死んだとされる、まさに248年に日本で日食があったのだ。
しかも皆既日食が!!!!!!
日食情報データベース
http://www.hucc.hokudai.ac.jp/~x10553/
1)5000年間(-2000年~3000年)地球上どこでも、日食情報
2)「金環食と皆既食」 > 「248」 > 「皆既食/248/9/4」 > 「次に」
3)地図が出るので拡大して、日本の上の赤線をクリック。
4)緯度経度が出たら「OK」 > 局地情報の枠に緯度経度が入る。
5)「欠け具合は? 何時頃に?」を押すと詳細が見れる。
248年9月5日 5:50。(日本時間)
東北南部~甲信越~中部北部で皆既日食。
これ、最初に発見した人、ゾクゾクしただろうな…。知ってて調べても鳥肌立つもん。
確かに、異論はいっぱいある。
邪馬台国の候補地で天岩戸神社がある九州では、この日食見えない。そして、畿内では部分日食だった。
けども、よ。
欠けた太陽が昇ってきて、だんだん元に戻るという印象的な日食であったことは間違いない。
卑弥呼がなぜ死んだのかはわからないけど、日食が関係している可能性はとっても高いんじゃないかな。
こちらは奈良地方の様子。
部分日食と言ってもだいぶかけてるね。
こんな太陽が朝焼けと共に昇ってきたら、昔の人はどう思っただろう。
中国に使者を派遣するほどの権力を持った巫女的な女がいて、彼女が死んだ年に皆既日食があり、しかも地元では、太陽の女神が隠れたという皆既日食を彷彿とさせる伝説が残っている。
これって全部全くの無関係って言える??
卑弥呼=アマテラス
いやーもうこれ結構 説得力あると思うけど。
しかも、邪馬台国って、九州でも畿内でもないんじゃないかな、とか思ったりして。
長野に戸隠ってゆうところがあって、アマテラスの岩戸が開いた時にここまで飛んできたってゆう伝説が残っている。
248年の皆既日食を戸隠で見るとこんな感じ。
ここじゃねーの邪馬台国???
なんて・・・・。
あ、でも日本中に岩戸伝説はあるけどね。。