クオリア
今日はひとつ新しい言葉を知った。
クオリア
これ、やばい。すんごい身近なくせに説明するのが超難解。
秋口にかおる、金木犀のあの香。
匂いは言葉では説明できないけど、区別ができる。
このにおいは金木犀、こっちのにおいはアンモニア。
二つとも、わたしたちの鼻を刺激しているというところは同じだけども、全く違うものとして区別される。
ではどうして区別できるのか。においが違うからよね。
そのにおいって何???
実体がないけどすごく確かなもの。
それがクオリア。
においってのは、言葉では説明できないけど、感覚的に確実に区別ができる「もの」でしょ。
それがクオリア。
和音が鳴っているのをきいて、あー、マイナーコードだわー。とかわかる感じ。
カレーを食べて、カレー味がすること。
これ、全部わたしが感じるクオリア。わたしの中でわかっている感覚。
うーんと、余計にわからない説明になってるね。
クオリアとは、つまり、わたしたちが世界に触れて感じる感覚。
他人とは決して共有できない、でもみんながそれぞれ持っているもの。
例えば、「赤」という色は、ある波長の光である。これが目に入ったとき、わたしたちにはあの色が見える。
赤という波長をあの色に感じさせているもの。それがクオリア。
もしも、世界を感じとる部分 (クオリア) だけを交換できるとして、わたしとこの日記を読んでいるあなたが入れ替わったりしたら? 今まで通りに世界を認識できるだろうか??
赤を見て、赤とわかるだろうか???
わからないと思うな、わたし。
この妄想、わたしにとってはお馴染みのやつ。小さいころから、感覚の交換を想像して遊ぶのが好きだった。絵を描くのが好きだったせいか、特に色についてあれこれ想像した。
わたしには赤に見えているものが、他の人の場合では、わたしでいうところのミドリに見えているかも。
もしもその人の目でわたしが世界を見たら、色調が逆転してキモワルイことになるハズ。
これって学者さんたちもずーーーっと考えてたことだのね。どおりで謎が解けないわけだわ。
手塚治虫がこの悩みについて書いてるシーンがある。
これだ。
火の鳥 『復活編』
ネタバラシになるのであまり詳しく書かないけど、このお話は、事故って瀕死の少年が人工脳をつけられて生き返るところから始まる。人工脳になった少年には、人が土塊や無機質な無気味なものに見える。手触りも同様。
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人工脳は生命を維持できたけど、何かがおかしいのだ。
脳が変わったことにより、人とかの感じ方?変わってしまい、気色悪くなってしまった。
こんな風に、今まで 「赤」 として見えてたものが、別の脳になって、いきなり 「赤」 が 「緑」 になったらさぞかし気持ち悪いだろう。
このシーンは、クオリアとは違うかもしれないけど、なんとなく概念的に似ているもののような感じがする。
でも、この主人公は、人などを認識する部分がぶっ壊れただけで、クオリア自体は失っていない。
「クオリア」 がないとは、つまり、赤の波長が目に入ってきたときに、赤と認識するけどあの色は感じていない状態????
これは感情が欠落している、のとは全く異なる。
入力 → 解釈 → 出力 はするけど、そこに【質感】が伴わない状態。
パソコンか?
うん、「クオリア」 が欠落しているのは、生き物ではありえなさそうだわ。
マシンだね。
例えば、機能的に人間と寸分違わないロボットがいたとする。
彼は色も認識するし、甘い味とか辛い味とか、臭いとか、いろいろ人工頭脳が検出して認識する。
このロボットにはもちろん感情もある。
人のあらゆる感情のパターンが入っているから状況にあわせて適切な反応を選んで表現する。
学習もする。
このロボと人は何が違うか。
「クオリア」 だ。
ロボは検出して認識するからクオリアがいらない。やばい。脳ってやばい。
クオリアは生きているから必要なものなんだ。脳は精密機械に例えられるけど、違う。
脳は生きている。
赤い色を 「630-760 nm の光だ、だからこれは赤。」 なんて機械的に解釈してたら日が暮れる。
それよりも、「色を見る」 というクオリアの仕掛けを使って瞬時に世界を理解しているのだ。
クオリアってすごいな。
ちなみに、クオリアを持っていない、想像上の存在を 「哲学的ゾンビ」 というらしい。
↑わたしがここで書いてたことには間違いがあるかもしれない。専門じゃないのでごめんなさい。
こちらの 3ページには、わたしには「赤」に見えているものが
あなたでは「青」で・・・という話がわかりやすく書いてあります。
↓
http://www.h5.dion.ne.jp/~terun/doc/kuoria.html
http://www.h5.dion.ne.jp/~terun/doc/kuoria2.html
http://www.h5.dion.ne.jp/~terun/doc/kuoria3.html