葉緑体とミトコンドリア
人は、約100兆個の細胞のカタマリだ。
人に限らず、犬や猫も、チューリップも街路樹もみんな細胞のカタマリ。
手の皮を眺めてみる。
肉眼では見えないけど、ここには細胞がずらーっと並んでいるハズ。
そしてその細胞の中には 「私」 というものを作っている設計図DNAがある。
こういう よくわからんもので 「私」 という複雑な生き物ができあがっている。
驚愕。
細胞の中には、他にもいろいろなものがいる。
草や木の細胞の中には葉緑体、ほとんどの生き物の細胞の中にはミトコンドリア。
葉緑体は光合成をしている。
光合成は、地球から1.5億キロかなたで輝く太陽の光を使う。
吸収した二酸化炭素と水を、太陽の光エネルギーを使って、炭水化物 (栄養) に変える。
その結果、酸素を排出。
言うまでもないが、地球の酸素は植物が作っている。
酸素は地球上のほとんどの生き物にとって必要不可欠な気体であるが、もともとは地球になかったもの。猛毒である。
約40億年前の海の中。
藻の仲間が何でか知らんが光合成という奇妙な営みを始めた。
それで毒の酸素を排出して大気を汚染。
わー迷惑〜。
それまで酸素のない世界で暮らしていた生き物は、子孫を残すために、この毒に対処しなくてはいけなくなった。
対処っつうか、むしろ利用しはじめた。たくましい地球の生命。
こうして登場するのがミトコンドリア。
生物の細胞の中に暮らしているミトコンドリアは有毒な酸素を使って細胞にエネルギーを供給している。
どうやら、地球上の多くの生き物は葉緑体とミトコンドリアの元に成り立っている。
らしい。
しかも、恐ろしいことに、葉緑体とミトコンドリアは、独自のDNAを持っている。
わたしたちの体の一部だけど別のやつら。
葉緑体は、その昔、それだけで生きていたバクテリアの一種で、他の生き物の細胞の中に住みついたのが始まり。
という説がある。
ミトコンドリアも元々は独立した生き物だったのが、わたしたちの祖先の細胞に住みついて一体化した。
という説がある。
この説についてはまだ答えが出ていないけど、そうだったらすごく面白い。わたしはそうだと信じている。
ミトコンドリアのDNAは、必ず母親のものを受け継ぐ。
精子にもミトコンドリアはいるけど、排除されるらしい。
だから、ミトコンドリアの DNA を研究することにより、人類の母をみつけることができる。
ミトコンドリア・イブ
私達の母親の母親の… で辿り着くアフリカのとある女性。
彼女は14万年前〜29万年前の人らしい。
どういう研究をするのか具体的には解らないが、色々な人種のミトコンドリアDNAを調べたそうだ。
とは言っても、
ミトコンドリア・イブ = すべての人の祖先
ではない。
らしい。
ここらへんになってくるとだんだん理解がむずかしくなってくる。。
ミトコンドリアDNA を現在の人類に繋げるには、必ず女の子が産まれてないといけない。
たとえば、途中に男のばっかりの世代があれば、その家系のDNAはつながるが、ミトコンドリアDNA はとぎれる。
嫁の ミトコンドリア になるのね。
そうやって考えると、ミトコンドリア系とは他のルートでも人類の祖先がいるかもしれない。
なんか、これってミクシーの構造に似てないか。全人類はこうしてみんな繋がってるんだ。
もっといえば、地球上のすべての生き物は太古の海に漂う有機物の気まぐれにたどりつく。
それから40億年。
もうちょっとがんばらないと。人類。