2016.07.21滝の上の神社 侍の持っていたもの
私はひとりの侍だった。
袴をはいている。
私は何かを持っていて、それを狙う者たちから襲われているところだった。
忍者のような者たちを4~5人倒した。
私は木刀を持って戦っていた。
刺客をやっつけると、私はさらなる追っ手を警戒してその場から逃げはじめた。
夜の森を走って逃げた。
途中で川があったので入った。
追っ手たちは犬を使っているのだ。川に入れば臭いを消せる。
川の水は冷たく、胸くらいまで浸かったが足がつかないほど深くはなかった。
川幅は思いのほか広い。流れに押し戻されそうになりながらも、やや上流の向こう岸についた。
さらに足を進めると森の中の岩場で若者たちがキャンプかフェスかをしている場所に出た。
蛍光色の変わった形のテントが岩場に並んでいる。
テントの中はクッションのようになっていて、ロウソクがともり、あそこで休めたらさぞかし気持ちいだろうな…という雰囲気。
しかし、自分がびしょ濡れ泥だらけの侍であることを思い出し、先に進むことにした。
テントが並ぶ向こう側は5mほどの高さの岩山がそびえ、頂上には鳥居が見えた。鳥居の間からは細い滝が流れている。
あそこに行かなくては…と悟る。
私はテントの横を通って岩山の下へと行き、一礼してから登りはじめた。
テントでくつろいでいるひとりが背後で「落ちるなよ」と言っているのが聞こえた。
私はどんどん岩山を登った。
夜なので暗くてよく見えなかったが、登ってみると、その岩山はコの字型のコンクリートブロックや黄色いパイプでできた人工的な山であることがわかった。
ブロックは固定されてないので、掴んで登ろうとするとグラグラして何度も落ちそうになった。
ようやくてっぺんに到着し、鳥居をくぐると、その奥には木の根に侵食された社殿があった。
根がはびこる窓から中をみると正面にご神体らしき高さ60cmほどの逗子のようなものが見えた。
右側には回廊が繋がっていて、どうにかして社殿の上へ行けるようだ。
私は上に行きたいと思って窓から中へ入った。
そこでなぜか私は「ごめんください~」と挨拶をした。
社殿には誰もいないと思っていたのに、奥の方から人影が出てきた。
暗くてよく見えなかったが、その人物はじいさんで、知っている人ではないようだった。
じいさんは「お待ちしていました。仏さまを拝んでください」と言った。
じいさんが指差す方を見ると、そこには三体の仏像が祀られていた。ロウソクも灯っている。
仏像は私が入ってきた窓からは見えないところに祀られていたのだ。
私は急にいろいろ理解し、じいさんのそばへ寄って小声で話しかけた。
「あれを持ってきた」
じいさんはそれを仏像の前に置くように身振りで示した。
このあたりで私は半分起きてしまって、自分が命をかけて持ってきたものが何なのかわからなくなってしまった。
あれ?鍵だっけ?石だっけ?コインだっけ?
そうして夢に戻ろうとしている間に完全に起きてしまった。
持ってきたものが何だったのか、そしてそれをちゃんと届けられたのか結局わからずじまいだ。