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火星に寄す

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火星は肉眼でも見える星なので、人類にとっては身近な存在だ。だからいろんなネタがある。映画や小説や漫画にもたくさん出てくる。ちなみに、火星について調べようと思ったきっかけはこの一枚の写真。

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写ってるんだよ、火星人が。これは、NASA が火星に送り込んだロボ 「スピリット」 が撮った写真。

<NASAの画像が見れるサイト>

Photojournal: NASA’s Image Access Home Page
http://photojournal.jpl.nasa.gov/

問題の写真
http://photojournal.jpl.nasa.gov/catalog/PIA10214

高解像度の画像
http://photojournal.jpl.nasa.gov/jpeg/PIA10214.jpg
※左下のでかい波々の岩のちょい上くらいのがけっぷちにいる。

拡大してそこだけ見ると、確かに人にしか見えない。でも全体で見ると随分ちっこいし、色的にもやっぱり石とか岩なんだろうな…って感じ。
かつて騒がれた、火星の人面岩と同じようにこれも光の加減なんだろうか。

残念ながら人面岩も、より鮮明な写真が撮られて顔じゃないのがわかってしまった。
違うってわかっていても、この1枚目の写真は魅力的だ。

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もしもこの人面岩が本物だったら人類の価値観が180度変わってしまったに違いない。
火星の砂漠に突如あらわる古代文明の遺跡…。しかもエジプトの遺跡と酷似。ロマンチックすぎて気絶しそう。

このように火星にはワクワクドキドキすることが たくさんある。

◇火星人はなぜタコなのか

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ほんのちょっと前、太陽系がまだ未知の世界だったころ。宇宙人と言ったら火星人。火星人と言ったらタコ。みたいなイメージがあった。
私が小さいころもまだこのイメージは残っていた。だから、これ見るとなぜか有無を言わず火星人って思っちゃう。人間て変なの。
私の記憶がある限り、宇宙人=火星人、火星人=タコ が定着していて疑問すら抱かなかった。

が、近年の宇宙人のイメージといえば断然グレイだ。グレイたんも歴史は古いけど。。。

いろいろ改めて考えると、「なぜタコ??」 という好奇心が湧いてきて調べてみることにした。
そしたら宇宙人=火星人=タコ という図式には以外と奥深い歴史があることがわかった。

それではタコの世界を旅してみよう!!!

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↑これは実在のキモいタコ

そもそも、宇宙人がタコみたいで恐ろしいものって決めたのは誰なんだ??
決めた人がいるのか???

いた!! いたよ!!!

その人は、圧倒的な影響力で世界中に先入観を植え付けたのだ!!!

H・G・ウェルズ

言わずと知れたSFの父。
そして、タコの発信はここからだったのだ!!!


謎を秘めて妖しく輝く火星に、ガス状の大爆発が観測された。これこそ6年後に地球を震撼させる大事件の前触れだった。ある晩、人々は夜空を切り裂く流星を目撃する。だがそれは単なる流星ではなかった。巨大な穴を穿って落下した物体から現れたのは、V字形にえぐれた口と巨大なふたつの目、不気味な触手をもつ奇怪な生物―想像を絶する火星人の地球侵略がはじまったのだ。

当時の挿絵を見てみると、そこに描かれているのは、まさにタコ火星人。

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おお!!! これか、ルーツはこれだわよ。未だに宇宙人というと侵略者ってイメージがあるのもこのお話のせいかもしれない
では、このタコ火星人にはルーツはあるのか?? 火星人はウェルズの思いつきでふっと湧いて出たモノなのだろうか???

いえいえ、火星人がこうしてSF小説に登場したのにもわけがあった。
それは、歴史を左右するような勘違いと、人間の情熱とが入り混じった、何とも切ない物語なのである。

◇火星に運河を見た男

ウェルズが 『宇宙戦争』 を発表する20年ほど前。ジョヴァンニ・スキアパレッリというイタリアの天文学者が火星の表面にスジ上の模様を発見した。彼はこれを canali (溝、水路) と発表したのだが、運命のいたずらか、これが英語に翻訳されるときに間違って canals (運河) になってしまった。
だもんだから… 火星に運河ある!!!! と大盛り上がりになってしまい、「火星には運河ある」 …→ 「知的な生命が住んでいる」 という胡散臭い説がまかり通る時代がやってきてしまったのだ。

権威ある学者たちもその説に心を躍らせれて、大まじめに火星の運河を観察し始めてしまった。いや、でもそうだよ、近所の惑星に知的生命体がいるなんて、考えるだけもワクワクするもん。
その中でも有名なのが、計算によって冥王星の存在を予言した偉大なるアメリカの天文学者パーシヴァル・ローウェル

ローウェルは火星人の存在を強く信じて疑わなかった。彼が記録した火星の表面の図にはいくすじもの幾何学的な模様がある。

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現代の偵察機が撮った高解像度の火星の表面写真と比べると似ても似つかないその模様。。。
彼は一体何を見ていたのだろうか。運河を信じるあまり幻覚を見たのかも。じーーーーって見てると幻覚 見えて来るもんね…。

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ローウェルおじさま…

そんな感じで、ウェルズが 『宇宙戦争』 を書いたころは、火星運河説が盛り上がっているこんな時代だったのだ。『宇宙戦争』 はファンタジックな SF小説ではなくて、リアリズムを追求したお話。今でいうハードSFなのだ。現代の感覚でいうと、タコ火星人のどこがリアル??? って思うけど、100年以上前の当時としてはタイムリーで超リアルだったんだわね。

◇火星の曲

2008.04.17
※記事の内容は私が独自に調べてまとめた内容なので間違いもあるかもです。そしたらごめん。

こんなことばかり考えている私がSF小説など書いてる

大橋ちよのnote

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