ドラゴンの眼
スティーヴン・キング 著
パパが娘のために書いたファンタジー
ドラゴンの心を持つ勇敢な王子、ピーター。魔法の水晶を持つ邪悪な魔術師、フラッグ。正義と勇気をかけた闘いが、いまはじまる!スティーヴン・キングが愛娘ナオミに贈った初の冒険ファンタジー!闇の中に隠された真実。すべてはドラゴンが知っている。
Category:スティーヴン・キング
◇感想と解説
この本は、愛娘 ナオミのためにスティーヴン・キングが書いた純粋ファンタジーである。ホラー要素はほぼない。時期的には、ちょうどピーター・ストラウブと 『タリスマン』 を共作しているころで、『ドラゴンの眼』 にはピーターやベン(ピーター・ストラウブの息子)、そしてナオミが登場人の名前として出てくる。
当時ナオミはティーンエイジャーだった。彼女と同じ歳のころ、私はもうキングのホラー小説を好んで読んでいたが、ナオミは好きじゃなかったようで…。娘に好かれないのは切ないものね。。
ティーンエイジャーのために書いたとは言え、単なる子供向けのお話じゃなくて、ちゃんと大人のファンにもお楽しみをたっぷり仕込んだ作品でもあるのだ。そうして大人たちもこぞってこの十代向けのファンタジーを読むことになる。
…で騙されてはいけないのが、いくら愛娘のために書いたファンタジーと言ってもキングはキングなもので…。下品なシーンや残虐なシーンがちょいちょいあるにはある。本当に子供に読ませるのにはご注意を。。小学生には向かないかな…と思う。
『ドラゴンの眼』 は独立したお話でありながら、キングの超大作 『ダーク・タワー』 に繋がる内容となっている。物語の中心である ≪デレイン王国≫ の王の名前が、『ダーク・タワー』 の主人公と同じ ローランド(決して同一人物ではない)だったり、宿敵 フラッグが出てきたり。
まるでアンデルセンの童話の世界のようでありながら、ちゃんとキングワールドになっている。
物語に引っ張られて大人でも夢中で読んじゃうのだ。
◇関連作品
◇情報
1987.USA/The Eyes of the Dragon