ドリームキャッチャー
スティーヴン・キング 著
そ、それを出しちゃうんですか???
“クソは変わらず日付が変わる”をモットーに、メイン州の町デリーで育った、ジョーンジー、ヘンリー、ビーヴァー、ピートの4人組。
成人した今、それぞれの人生に問題を抱えながらも、毎年晩秋になると山間での鹿撃ちを楽しんでいた。
だが、奇妙な遭難者の出現をきっかけに、いやおうもなく人類生殺の鍵を握る羽目に―。
Category:スティーヴン・キング/映画・ドラマの原作
◇感想と解説
1999年6月19日 スティーヴン・キングは自宅近くを歩行中に交通事故にあい、一命は取り留めたものの瀕死の重傷を負った。何ヶ月にも及ぶ激痛とリハビリに耐え、ついに書き上げた長編が本作品。
そういった意味で、『ドリーム・キャッチャー』 はキングの作品群の中でも重要な作品のひとつだ。作中には交通事故のシーンが登場し、とてもリアル描写が多く見られる。
また、主人公のジョーンジーたち4人が育った ≪デリー≫ という町。ここはモダンホラーの金字塔と言われているキングの代表作 『IT』 の舞台でもある。だからお馴染みの場所や名前が…。
内容的にも 『IT』 との共通点が数々あって、輝く少年時代を共に過ごした仲良しグループが悪夢のような現実と向き合うストーリー。だからといって、二番煎じというわけではなくて、とても個性的でブッとんだ展開が待ち受けている。
『IT』 と 『ドリーム・キャッチャー』 の大きな違いは、子供時代に起きた出来事と、大人になってから遭遇する出来事がほとんど関係なさげという点だろうか。
子供時代の話も、大人になってからの話も、どちらもそれぞれ独立して小説になりそうな内容だけど最後に一つに繋がるのが面白い。
そして何よりも90年代に家庭に進出した パソコン&インターネット の存在が 『ドリーム・キャッチャー』 に大きな影響を与えているようだ。80年代の作 『IT』 にはなかった発想。
そしてこの物語に登場するものがすごい。
メインテーマにこんなもんを使うとは、誰が想像できるだろうか!!!!
うーん、それが何だか言いたいけどここでは言えない!!!
ふざけてるのかと思うよ… ふざけてるのかもしれないケド…。
B級SFのようでいて、実はハードSFなんだ。
ちなみにこの物語も映画化されているが、このとんでもない世界観をよく表現していて、なかなか個性的でおもしろいSFに仕上がっている。私は好きなのでオススメしたい。
ただし、映画オリジナルのブッ飛んだ設定が追加されている。あまりにものすごい設定なのでひっくりかえるわ…。
ああ!! 言いたいけど言えない!!!
▼ネタバレを開く
※映画版のネタバレも含みます。
『ドリーム・キャッチャー』 で、主人公たちが戦う恐怖は…。
一言でいうと、宇宙人なんだけど。。。
まあーーびっくりするわ。
ひっくり返る。
だって グレイ なんだもん!!!!!!
振り返ったらグレイがいるのよ!!!
いまどき、SF小説でグレイってwwww
え"ーーー(^^;)!!!! ってなるわい。
ここで萎えてしまう人もいるだろうか。
興ざめってゆうか…。
でもガッカリしないで続きをぜひぜひ読んで欲しい。
だってだってこいつはグレイであってグレイじゃないんだ。
これはある意味ハードSFだ。
超リアルなのだ。
その証拠に、主人公もグレイの登場には度肝を抜かれ、おそらく私たちがグレイを目の当たりにしたときに同じようにするであろう反応をしている。
ええええぇぇぇ???!!!!...えぇぇ...???? グレイ????
って。。。
後にこの主人公は、宇宙人をミスター・グレイと名付ける。
ミスター・グレイは、登場するや否や頭がパカーっと開いちゃって赤い霧みたいのになって主人公に襲いかかる。
もう、ひぃいいぃぃぃ~~~~~!!!! としか言えない。。。
こうしてグレイのように見えるグレイじゃない宇宙人は地球人の頭の中に進入してくるんだ。
さらに笑ってしまうというか、おっそろしいことに、この変な宇宙人たちは ロズウェル事件 さながらの墜落事故で地球にやって来たと思ったら、ブラット・ピットの声とかで 「ワタシタチハ無力デス。汚染ハアリマセン。」 なんてエンドレスな放送を流したりして胡散臭さ100%なのである。
2011年3月の東日本大震災で福一原発の事故がレベル7となり、政府が「直ちに健康に影響を及ぼすものではありません」と言い続けていたころ、私はずっとこの宇宙人たちの放送を思い出していた。
コメディだったら ≡≡≡=(ノTдT)ノ ワアァァ・・ダメだこりゃ!! って逃げる場面。。
そんな胡散臭いグレイたちと一緒にやってきたのが、人の腹の中に寄生してやがて宿主を食い破って出てくるイタチみたいなやつ。・・・・。
って、思い切り 『エイリアン』 だし!!
しかもこの宇宙生物たちは人間にも感染する赤い菌みたいのをばら撒いていて、人々は 『エイリアン』 にちなんでこれを 「リプリー」 と呼び始める。
ミスター・グレイといい、リプリーといい、ふざけた命名。
でもそれがリアル。
読者と登場人物を同じ土台に立たせているのだ。
読者が 「あれみたいじゃね?」 って思うことは物語の中の人も同じように思うわけで。
なお、映画版にはオリジナルの設定があるのだが...ダディッツも宇宙人でミスター・グレイと宿命の対決をするという。。
なんともウルトラマン的な恐ろしい展開が用意されている。
もう、それはそれはビックリしてイスから転げ落ちそうになった。。。。。。
原作では説明されない「ダディッツって何者?」に対して、落としどころを加えた結果なのだろうか。。。ダディッツはダディッツで説明いらないんだけどなぁ。。
◇関連作品
◇情報
2001.USA/Dreamcatcher
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